顧問社労士の部屋 建設専門の社労士が労働安全についてわかりやすく説明します。

特定労働者派遣事業が廃止になります。

 この秋は、マイナンバー、ストレスチェック制度の開始など法改正により新しい制度が始まりますが、その陰に隠れて、最低賃金の改定、派遣法の改正が行われます。今回の派遣法改正は、プラス面とマイナス面が混在しているのが特徴的ですが、最もマイナス面としてあげられるのが、特定派遣の廃止です。

特定労働者派遣

とは、自社の常勤雇用者を他の会社に派遣して労働させる派遣事業で、派遣元は届出だけで事業を行うことができましたが、今後は許可制になり、許可を受ける条件が大幅に上がります。現在、派遣には特定派遣と一般派遣がありますが、今後は一般派遣だけになります。つまり、特定派遣事業者は一般派遣事業者の許可を取らないと、派遣事業ができないということになります。

一般労働者派遣

とは、常勤もしくは非常勤の雇用者を派遣して労働させる事業のことで、特定派遣と大きく異なるのが、派遣先で労働した時だけ派遣元との雇用関係が生じる、つまり、登録型派遣ができるということです。一般派遣では、派遣先に仕事がないときは、派遣社員に給料を支払わなくてもよいですが、そのかわり労働者の保護という観点から、派遣事業を行うためには純資産が2千万以上などの厳しい条件が設けられています。2008年のリーマンショックの時、派遣切りが横行し、一般派遣会社が次々と経営破たんした経緯から2014年の派遣法の改正でこの基準は設けられました。

 

さて、特定派遣の廃止を含んだ派遣法の改正は9月30日から施行される予定ですが、特定派遣事業者には3年間の経過措置が与えられています。この期間内に、一般派遣事業者の許可を取るのか、請負事業にするのか等、具体的な対応が必要になります。

顧問社労士の部屋プロフィール

井上敬裕

井上敬裕 社会保険労務士・中小企業診断士

大田市場青果工場で約8年間工場長を務めた後独立。
工場の生産性・安全衛生管理と人事労務管理の両方をワンストップで行うことができる。フォークリフト講師の資格を持っている。